小さなサロンがお客様に選んでもらうには、独自の強みや個性を打ち出し、「わたしのためのサロン」と感じてもらうことがカギとなります。自分だけの強みや個性を発揮できると、相性の良いお客様と出会い、リピートにつながりやすくなります。
ここでは、サロンコンセプトとサロンのストーリーを軸に、オーナー自身が心から大切にできる独自性の見つけ方を解説します。さらに、コンセプトの具体的な作り方や、お客様に伝えていく方法についても紹介します。
独自性・強みで集客しやすくなる理由
独自性や強みを打ち出せると、競合サロンと差別化がしやすくなります。差別化がしっかりとできていないサロンは、価格だけで比較されるなど、お客様に選ばれにくくなる可能性があります。
強みや独自性を打ち出すときに気を付けたいことは、「競合サロンと違うこと」ばかりを目指さないこと。あなた自身が心から大切にできるテーマや価値観に基づいた強みや独自性を見つけることが重要です。
競合との差別化を優先して、自分の想いとちぐはぐな独自性を出したとしても、長期的に続けていくのが難しくなることもあるからです。長く愛されるサロンづくりをするためにも、自分の思い入れや理念を大切にしながら独自性を発揮することをおすすめします。
強み・独自性を発揮する4つの方法
サロンの強みや独自性を発揮するには、主に以下の4つの方法があります。
1.サービス内容の差別化
提供するサービス自体で独自性を発揮し、他のサロンと差別化する方法です。
例)
・ほかのサロンではしていないような、複数の施術を組み合わせたり、独自の技術を取り入れたオリジナルの施術メニューを提供する。
・特定の悩みや望みに特化したメニュー 等
2.技術と資格による差別化
高度な技術や専門資格を持つスタッフがいる場合、その専門性をアピールすることも有効です。資格や認定技術を持つ施術者がいることは、お客様に安心感を与え選ばれる理由の一つになり得ます。
3.サロンコンセプトによる差別化
「どんな体験を提供するサロンなのか」「何を大切にしているサロンなのか」等、サロン独自のメッセージを伝えることで、ほかのサロンとの違いを打ち出します。技術力や設備などで違いが出しにくい小さなサロンにとっては、コンセプトは、独自性を打ち出しやすく、差別化に欠かせない要素となります。
4.サロンのストーリーによる差別化
サロン設立の背景や、サロンオーナーの経験や想いが伝わるストーリーをお客様に共有することで、感情的なつながりを作りやすくなります。
オーナー自身の体験や想いは、ほかのサロンには決して真似できない唯一無二の価値です。小さなサロンこそ、ストーリーを上手に活用できると、競合サロンとに違いを印象づけやすく、また長く愛してくれるサロンのファンを作ることを助けてくれます。
小さなサロンに最適な差別化の秘訣は「コンセプト」と「ストーリー」
サービス内容、設備や技術、規模で勝負できる資金力のある大きなサロンと同じ土俵で戦うのは、小さなサロンにとってはハードルが高いはずです。小さなサロンには小さなサロンだからできる価値提供があります。
その方法として取り組みやすいのが、「サロンコンセプト」と「サロンのストーリー」で独自性や個性を見せること。
オーナーの価値観や個性を反映したコンセプトやストーリーは、あなたのサロンにしか打ち出せない独自性です。コンセプトとストーリーに惹かれたお客様とは、初回から信頼関係を築きやすく、満足度の高いお客様になる可能性が高いです。
満足度の高いお客様が多くなるとリピートや口コミが増えて、安定した集客にもつながっていくはずです。
サロンコンセプト=サロンの世界観
サロンコンセプトとは、サロンが提供する体験や価値観、そしてそれを通じてお客様に届けたいメッセージです。
サロン全体を通して伝える世界観がコンセプトの核となります。たとえば「自然の恵みで、身体と心をリセットするオーガニックサロン」「年齢に負けない。自分の美しさは、自分で創る」など、あなたがサービスを提供するうえで譲れない価値観を言語化してみてください。
サロンのストーリー=コンセプトの根拠
オーナーの信念や体験、サロン設立の背景などつづったストーリーは、「なぜそのコンセプトを掲げるのか」を裏付ける根拠となることが大切です。
コンセプトの根拠となるストーリーを語ると、お客様は「だから、このコンセプトなのか」を理解できるため、サロンに対しての信頼や共感を抱きやすくなるからです。
そのため、コンセプトとストーリーをセットにして考えることが重要です。この2つがきちんと結びついていると、お客様にコンセプトが伝わりやすくなります。
どんなコンセプトを打ち出す?コンセプトの考え方
サロンコンセプトを考えるうえで、いくつかの方法を紹介します。
1. あなた自身が大切にできるテーマを選ぶ
- あなた自身が心から大切にできるテーマや価値観を基に設定することをおすすめします。コンセプトは、あなたが日々のサロン業務で体現していくことでもあります。だからこそ、自分が日々楽しんで取り組めるコンセプトにすることは大切です。
ただし、あなたが大切にしたいテーマに共感してくれるお客様がまったくいなければ、集客はできません。「一人よがりの思いではないか」「ニーズはあるのか」客観的な判断も必要です。
2. 提供したい体験や価値観を明確にする
- サロンが提供する体験や価値観を明確にし、どのようなメッセージをお客様に届けたいのかを考えます。
たとえば、「カラダの中から育む、肌本来の美しさ」「可愛いは正義!指先からひろがるハッピー」といった具合に、お客様が得られる体験を簡潔に言葉にしてみてください。
3. お客様の悩みや願望にフォーカスする
- お客様の悩みや願望にフォーカスする。たとえば「敏感肌をなんとかしたい」「寝起きの重ダルさを解消したい」など具体的なお悩みにフォーカスしたコンセプトを掲げると、お客様は「自分のためのサロンだ!」と瞬時に理解できるため、サロンの価値を見出しやすくなります。
コンセプトが分からないときは、ストーリーから作ってみる
サロンのコンセプトがなかなか思いつかない場合、サロンのストーリーから作り始めるのがおすすめです。ストーリーを掘り下げることで、自分にとって変わらない一貫したメッセージが浮かび上がってくるからです。
「なぜ、この仕事を始めたのか」「なぜこのサロンを始めたのか」「どんな価値を提供したいのか」「なぜ、その価値を提供したいのか」など、この仕事にいたるまでの経緯を振り返り、思いと向き合ってみてください。
コンセプトをどう伝えていくか?
コンセプトは作って終わりではありません。お客様にコンセプトが浸透していくことで、はじめて力を発揮します。そのために、コンセプトの言葉をそのまま繰り返し伝えるだけでなく、サロン全体を通して一貫したメッセージを伝えます。
たとえば、施術内容はもちろん、サロンの空間、SNSやホームページで使用するビジュアル等。サロンで提供するすべてのことにコンセプトを反映させることが大切です。
1. 言葉での表現
- ホームページやSNSなどで、サロンのコンセプトを言葉で明確に伝えます。
なお、SNSの発信では、直接的にコンセプトそのままの言葉ではなく、コンセプトの上に成立している価値観やメッセージを伝えていく方法もあります。いろんな角度からコンセプトを伝えることで、お客様がサロンの世界観を理解しやすくなります。
2. ビジュアルでの表現
- サロンのロゴや店舗の内装、ホームページのデザインなど、視覚的な要素にもコンセプトを反映させます。統一感のある色使いやデザインで、サロンの世界観をイメージとして伝えます。
3. サロンの空間や体験を通じて伝える
- サロンの雰囲気そのものから、コンセプトを感じられることも大切です。BGMや香り、接客などのサロンのすべてにおいてコンセプトを表現します。
たとえば、コンセプトが「自然の恵みで、身体と心をリセットするオーガニックサロン」なのに、サロンのインテリアが無機質なホテルライクだったらどうでしょうか? BGMにロックがかかっていたら? これらは極端な例ですが、コンセプトから期待感をもって訪れたお客様を裏切らないことは、とても大切です。
小さなサロンでも、独自性は発揮できる
小さなサロンであっても、コンセプトとストーリーをしっかりと作り上げることで、競合に埋もれず、あなたのサロンだけの強みを打ち出すことができます。
お客様に「選ばれる」魅力的なサロンであるには、独自性や個性をしっかりと打ち出し、サロンのコンセプトを通じて一貫したメッセージを伝え、浸透させることです。
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